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よく使う色ペインズグレイ – 一点物工芸師が乏しい知識で調べて語る

甕邨(ようそん)のイラスト覚書
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工房画房 一点物工芸師 甕邨(ようそん)です。ご来訪ありがとうございます。

今回は、私がよく使用する便利な色「ペインズグレイ」についてお話しします。アクリル画や水彩画において欠かせないこの色は、他の色では表現できない独特の深みがあり、特に影や陰影の表現に役立ちます。この記事では、ペインズグレイの歴史や特性、私の使用方法について紹介していきます。

ペインズグレイとの出会い

ペインズグレイとの出会いは、私が水彩画を習っていた頃に遡ります。当時の先生から、「水彩画では基本的に黒は使わない」という教えを受けました。黒はとても強い色で、影の表現には不自然な印象を与えることが多いからです。その代わりに、私が勧められたのがこのペインズグレイでした。

ペインズグレイは、黒の代替色として用いられ、その独特の青みがかったグレーが、絵画に柔らかさをもたらしてくれます。特に、影や陰影を描く際に、この色は非常に重宝します。絵に深みを与えながらも、黒ほど強すぎず、バランスの取れた表現が可能です。私は主線を入れることが多いため、黒でも問題ない場合もありますが、やはりペインズグレイを使うと全体的なトーンが和らぎ、作品の仕上がりがより自然になります。

ペインズグレイの特性と使い方

ペインズグレイは、その深い青灰色が特徴です。この色は一般的に、ウルトラマリンやプルシャンブルーなどの青と、少量の黒、そして赤(バーントシェンナ)が混ぜ合わされて作られます。結果として、黒よりも暖かく、奥行きのある色合いが生まれます。風景画やモノクロームの作品、特に影や暗い部分の表現に最適な色です。また、空や水の表現でも、その透明感と深みが活かされ、空や嵐の後の雲の描写にもよく使われます。

私の場合、ペインズグレイを使うことで、キャンバスボードや水彩紙に自然な陰影を付けることができます。ただし、水彩紙では若干透け感が出ることがあり、これは場合によっては困ることもありますが、その透ける感じを利用して柔らかな陰影を表現することもあります。透け感を活かすために、薄く希釈して使うことも多いです。

色の深みを加えるバーントアンバー

さらに、ペインズグレイに深みを加えたい場合、私はバーントアンバーをよく使います。この色は、ペインズグレイに混ぜることで黒に近い色合いを生み出すことができ、さらに濃い影を表現できます。バーントアンバー自体もよく使う色であり、風景画や陰影を強調したいときに非常に便利です。この組み合わせによって、作品全体がさらに奥深くなり、視覚的な重厚感が増します。

私のイラストでは主線を入れることが多いため、黒でも良いのですが、やはりペインズグレイを使うことで、作品全体のトーンが和らぎます。特にキャンバスボードでは、この色が非常にしっくりきますが、水彩紙の場合、透け感が少し気になることもあります。とはいえ、その透け感を利用して陰影を付ける際には、この色が非常に役立ちます。

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ペインズグレイの歴史と由来

ペインズグレイの名前は、18世紀のイギリスの画家、ウィリアム・ペインに由来します。彼は、黒の代わりに使用することで、柔らかい影を作り出すためにこの色を開発しました。彼の目的は、黒の強さを抑えつつ、絵に深みを与えることでした。その後、多くの画家に愛用され、特に風景画においては欠かせない色として広まりました。

ペインズグレイは、プルシャンブルーやウルトラマリン、バーントシェンナなどの色を混ぜ合わせて作られることが多いです。この色合いは、青みがかった柔らかなグレーであり、絵画に落ち着きと奥行きを与えるため、モノクロームの作品や遠景の描写にもよく使われます。

ペインズグレイの現代的な用途

現代においても、ペインズグレイは多くのアーティストによって使用されています。特に風景画においては、嵐の後の空や海など、自然の劇的な変化を表現するのに適しています。ペインズグレイは、他の色と混ぜても濁りにくい特性があり、微妙な色合いを作り出すことができるため、さまざまな技法に対応できる万能な色です。また、色を希釈することで青みが強調され、空や水の表現にも効果的です。

ペインズグレイを使った私の作品

私のイラストでも、ペインズグレイは非常によく登場します。特に、影や主線部分に使用することで、黒よりも柔らかい印象を与えつつ、絵全体を引き締める効果があります。最近の作品では、主にアクリル画で使用しており、キャンバスボードや水彩紙に適した色として愛用しています。

アクリルガッシュと併用して、主に背景や影を描く際に使用しているため、この色がないと作品の完成度が大きく変わるほどです。また、ペインズグレイの他に、バーントアンバーも使用して色の深みを調整しながら、全体のバランスを取ることを意識しています。

結論

ペインズグレイは、黒の代わりに使用されることが多く、その柔らかな色合いと深みのあるグレーが、絵に奥行きをもたらします。風景画やモノクロームの作品に欠かせない色であり、私自身もその魅力に取り憑かれています。もしまだ使ったことがない方は、ぜひ試してみてください。きっとその便利さに驚くはずです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。それでは、また次回お会いしましょう!

参考(https://ys-12.fc2.net/blog-entry-192.html)